興味があるなら恋をしよう−Ⅰ−
…課長、藍原の事が心配で、俺の知る限りの事、聞いて確認したいんだよな。それは解る。
さて、どう言ったら良いものかな…。
何も無いんだから、そのまま話して問題は無いんだけど、…ドアの前で寝ていたという部分を話すのは、さすがに難しいかな。

あ。…藍原…。そうか…。
もしかして、泊まるって…。そうか…。
俺が拒否したから、あれが藍原なりの、泊まる、の代わりの表現だったのかも知れない。
藍原の意地かな…。あ〜…。ん〜。

…。

「朝、藍原に会ったら、熱があるようでぐったりしてました。
それで、…廊下だったので取り敢えず部屋に入れました。
熱を計ったらかなり高くて、とても出勤出来る様子ではありませんでした。
それで、私が会社に連絡を入れました。
家に薬がありましたので、飲ませました。
食べる物が無いと困るだろうと、買い物をしたりして、行き来をしたので、私は出社が遅れました」

間、間の、詳しく聞きたい部分は、知りたければ聞いて来るだろう。
突っ込みどころがあるなら、その時に答えたらいいだけだ。

「そうか。高熱は辛いよな。…やっぱり風邪なのかな」

「それっぽいですね」

藍原は俺のモノっていう事も無い。まだ返事は貰っていない。
…誰のモノでも無い。自由な身だ。
だから、何を思っても、坂本に詰め寄る事は出来ない。
藍原に、何故だ、と、問い詰める事も今は出来ない。
何があっても何も言えない。
だけど、嫉妬はする。俺よりも坂本と親しい事にだ。
俺の番号もアドレスも知らないなら、…妬かない。仕方ない。
でも、俺に連絡できるじゃないかと思ったら、この目の前の男に妬けて仕方がない。
要所、要所を差し障りなく話してる事にムカつく。

「解った、有難う。もういいぞ。仕事に戻ってくれ」

パシッと背中を叩いた。

「痛。はい。では、出ます」

「ん」
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