興味があるなら恋をしよう−Ⅰ−
具合はどうなんだろう。
帰りに寄ってみようか。
どちらにしても、電話なり、メールに返事が来ればの事だな。
病人をアポ無しで訪ねる訳にはいかない。
一人暮らしの女性だからなぁ。

もっと深いつき合いになってたらな、遠慮無く部屋に行くし、なんなら、俺の部屋に連れて来て、嫌って言っても世話をするんだが。…妄想が過ぎるか。
以前よりぐっと距離が近くなったせいだ…。また、腕の中に抱きしめてしまいたいと思っしまう。
はぁ、藍原。休んだ事なんて無かったからな。
ぽっかり空いた藍原の席ばかり見てしまう。

「課長。…あの、課、長?」

「お、おお、悪い悪い、何だ」

「はい、確認してもらって…」

「ん、うん、…はい」

「あ、良かったですか?これで」

「…あ?うん?大丈夫だから持ってきたんだろ?」

「それはそうなんですが、確認が早かったものですから…」

…あ。

「…お前は大丈夫じゃない物を提出したのか?」

「そ、それは違いますが」

「だったら、これでいい。出来てる」

「あ、はい…有難うございます。失礼します」

俺…マズイな、こんな事では。ろくに確認もせず…挙げ句、部下に屁理屈を言って自分を正当化するとは…。これでは俺じゃない人間が判を付いても同じだ…。はぁぁ。駄目だな。
体の調子もだが、すっかり藍原の虜になって……気になって仕方ない…。


ブーブー…。お、藍原。待ってたぞ。

【何度も連絡を頂いたのに、すみません、有難うございました。…無視した訳ではありません。寝過ぎくらい眠ってしまいました。熱も下がりました。明日は出勤出来ると思います。藍原】

はぁ…そうか、良かった…。良くなったんだな。
メールで完結されしまったな。仕方ないか、課長と部下だからな。

【良くなったのなら良かった。だが無理はするなよ?
体調が戻らなかったら、水曜はパスしようか?また、いつでも行けるだろうから】

何て返して来るだろう。それでも行きたいって言って来るだろうか。

【明日一日、様子を見てからでいいですか?無理に出掛けて、課長に迷惑を掛けてもいけないので】

ベストな返事だな藍原。

【俺は一緒にご飯したいな。具合が悪くなったらなったで俺が看病するし。心配無い、大丈夫だ。どんな藍原でも、少しでも一緒に居たいと思うのは迷惑かな?】

ぁ…課長。

【迷惑だなんて。水曜は何ご飯の予定ですか?】

【そうだな、イタリアンはどうだ?あ、パスタとかピザな】

【(笑)はい、パスタとかピザのイタリアン、いいですね】

【じゃあ、体調を万全にしろよ?あまり長いと身体に障ってはいけないから、これで】

RRRRR…RRRR…。課長?電話…。

「は、い?」

「おやすみ藍原。…声が聞きたくなったんだ。ん゛ん゛。明日、会社でな」

課長…。

「はい、おやすみなさい」

「じゃあな」

「はい」

課長。こんなの狡い…。
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