興味があるなら恋をしよう−Ⅰ−
「ただいま〜っと」

一人の挨拶は当たり前。
今日、鍵が開いているのも当たり前っと。
藍原、良くなって帰ったかな。

あれ?サンダルがある。

「藍原〜?…居るのか?」

靴を脱ぎ、リビングに入った。

「はい?」

…居た、よ。

「お、何してる…もういいのか?」

ソファーに腰かけていた。何してるって聞き方はないよな。

「はい、シーツとカバーを洗って、乾いたので、今はここに待機です」

「待機?」

「はい」

「ゔっ、おい、何だか…心無しか、ヒヤッとし過ぎないか?」

俺は大袈裟なくらい自分の肩を抱いて震えて見せた。

「はい。実は勝手に寝室のエアコンを使っています」

「エアコン?なんで?…」

「はい、ドライにしてマットの湿気を取っています」

…。あ、そういう事ね。

「そんなの別にいいのに」

「でも、私、酷い汗でしたから。あのままでは坂本さんジメジメして寝られませんから。ちょっとでも湿気を取ろうと思って」

…生々しいな。

「大丈夫だ。どうしても気になったらソファーに寝るし。…あ。でも、有難うな。
それより、そんなに色々動いて大丈夫なのか?良くなったと思って動いたら夜また熱が出るんだからな。あ、それと、もしかしたら…」

子供じゃないんだから、自分の事は自分で解るか。

「はい、実家の近くの、昔からお世話になっている医院で、インフルエンザの検査もして貰って来ました。大丈夫でした。風邪です。薬も貰って来ました」

何だ。社会人として、忘れてなかったんだな。
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