興味があるなら恋をしよう−Ⅰ−
藍原が寝室に行ってから、2、3時間は経っただろうか。
薬を飲んで寝たのなら眠っているだろうか。
病気の時は案外と日中寝過ぎてしまって、夜は眠れないものでもある。

そろそろ、俺も…。
テレビを消し、部屋の明かりを落とした。
寝室に向かった。

ドアを開けるとシングルベッドの壁側がこんもりと盛り上がっていた。
…ちゃんと端に寄ってくれているんだな。
スウェットを脱ぎ捨て、ベッドに入った。
…藍原、寝ているかどうかは解らない。壁に向かって寝ていたから。
掛け布団は一つ、藍原の物だけだ。

「藍原…」

…声を掛けたが返事がない。寝ているのか…。…なら。
俺は藍原を抱え込むように背中から腕を回しグッと抱き込んだ。
そうだ。俺が藍原を抱き枕にした。
藍原の身体がビクッとなったのが解った。

なんだ…起きてるじゃないか。何故、返事をしなかったんだ。

…。

心臓の鼓動が、半端なく、加速する。自分ではどうする事も出来ない。…藍原。
もっとギュッと抱き込んだ。
聞こえるか聞こえないか、その程度の声があがった。
回した腕、密着した俺の身体に、藍原の鼓動が身体全体から伝わって来た。
藍原はこの鼓動や温もりを、俺から感じながら、それを安心だと感じ、眠っていたのか。
どんな気持ちで抱き合うかによって、全然、情況は違う。
…抱く方の気持ち。
俺はソフレなんかじゃない。…最初から違っていた。
…今の俺には何だか背徳感が過ぎるけど。…はぁ。

「藍原…起きてるよな。いいのか?俺、抱きしめてるぞ?このままでいいのか?」

…。

敢えて寝ている体を通すつもりか?

「知らないぞ?」

…。

ドキドキが増している事は、返事が無くても感じ取れた。
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