興味があるなら恋をしよう−Ⅰ−
「俺達の気持ちは一緒だって事だ。俺も藍原の事は失いたく無いと思ってる。
これは俺達が持ってる生まれた時からの運命とか、縁とか、前世があるなら前世とか、何もかもがそうさせてるんじゃないかと思う。とにかく何もかもだ。
だから事あるごとに引き合って終うのは仕方ないんじゃないかって。
別にファンタジーを延々語るつもりは無いけどな。
俺達は考え方が変わってるのかな。
…藍原、俺の事が好きか?」

目は逸らせない。

「好きなら好きと、言ってくれ」

…もう隠せない。

「好きです。坂本さんの事が好…」

あっ。キャッ。抱きしめられた。ドンと音がしそうなくらい強く胸に引き寄せられた。

「ふぅ。…俺も…好きだ」

暫く抱きしめあった。


「はぁ、スッキリした。藍原もスッキリしただろ?」

「はい」

「藍原はさ、いつも抜けてんだよな。解り辛いったらありゃしない。言葉が足りないにも程があるんだよ」

「でも…」

「…解ってる。だけど、解ってる、って言ったらおしまいか…。大事な事は言葉にしないと解らない。言って欲しい。
解っているとか解ってくれるでは確証がない…進めない。
でも。
…伝えなきゃ思いは苦しい。まあ…怖かったんだよな」

「…はい」

ずっと失いたく無いから。

「もう、そろそろ引っ越すのか?」

頷いた。…否定はしない。

「そうか…。今夜は?こっちなのか?」

頷いた。ここに居たい。

「藍原…。俺達はソフレだよな。今夜、ここで一緒に寝よう。
俺達は友達。…添い寝する友達、だろ?」

「あ、…はい。…ソフレです」

今夜、俺達のソフレの定義は崩れようとしていた。
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