興味があるなら恋をしよう−Ⅰ−
「それは坂本が?」
サンドイッチの袋を指して問われた。
「あ…はい。さっき、目が覚めたら居て。外回りの帰りに買って来たって」
「そうか。いいヤツだな。…詫びのつもりかもな」
「…あ、そうですね。言われて見れば、そうかもしれません」
「藍原の事、倒れる程困らせたかもって、思ったのかも知れないぞ。
午後から仕事出来るか?なんなら早退しても構わないが」
どうしよう。身体は大丈夫だけど、正直、まだ誤解のあるフロアには戻りづらい。
「あー、心配するな。俺が言うのも何だけど、藍原と坂本の住まいの誤解は俺が説明しておくから。坂本の挨拶代わりのジョークだったってな。実際、事実と違うんだし。…関わりは無い、そうなんだよな?」
念を押された?…本当に恋愛相手ではないのかと。
「はい。一緒に住んでいるとか、無いですから」
勿論遠距離だって無い…。
「うん。藍原の言う事は解った。じゃあ、仕事するか?」
「はい。午後からはしっかり、みっちり、仕事します」
「フッ。まあ、そんなに頑張らなくていいよ。普通に適当にやってくれたらいいから。じゃあ…、俺は戻るとするか」
ポンっと両膝を叩いて立ち上がった。んーと伸びをした。
「あ、課長…重いのに、すみませんでした」
「ん?あぁ…いや。藍原の一人や二人、何でもないさ。軽いもんだったぞ?もっと太ったっていいくらいだ。その方が魅力が増すから。じゃあな、後で。
あ、時間は気にせず。ゆっくり食べてからでいいぞ」
頭をクシャッとされた。
「あ、…は、い」
課長…。好きな人って、ボンキュボンみたいな、めり張りボディーの人なんだ。
私、ボンもなければ、キュでもない。ただの薄っぺらい身体です。はぁ。
…え?頭、触られたんだった…。倒れた役得?かな。