興味があるなら恋をしよう−Ⅰ−
てっきりネクタイは俺が自分で締めるものだと思っていた。
どうしてなのか理由は解らないが、制限時間が来て、拘束から藍原を解放すると、ネクタイを結んでくれた。
そして上着を後ろから着せてくれた。
何だか旦那みたいじゃないか?
藍原にとっては当たり前の気遣いなのかも知れない。

そんな事まであって、俺は妙なテンションのまま出勤した。
勿論、藍原と一緒に。


よくよく考えたら、昨日の夜からずっと一緒だ。
これから退社迄の時間を入れたら、ほぼ一日一緒に居る事になる。
外回りに出たら一緒に居る訳では無いけど、そんな事を考えていた。

大友さんには何かいい事あったのかと聞かれるし。
いや〜、睡眠不足でテンションが変なだけですよと答えておいた。
実際、変なのは確かだし。
殆ど寝て無いだろうと思う。限界が来て堕ちるように寝たのだと思う。
一時間寝られていたらいい方じゃないかと思う。
それでも…俺的には嬉しい寝不足だけど。

あ、藍原、布団置きっぱなしだ。
流石に今日は添い寝は要らないだろうから、取りに来るだろう。
無いと寝られないんだし。

何となく、いい日っていうのは、あるもんなんだな。
昨日から俺にとってはラッキーデーという事か。
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