興味があるなら恋をしよう−Ⅰ−
「もうしんどいから、本当の事を言おうかと思っ…」

「俺が会おうか?」

「え?」

「俺を紹介すれば?」

「そんな…一時凌ぎな事はもう…、また、いつかは、…次は結婚の話になります」

「結婚の話も、すれば?俺とするって」

「え?はぁ?何言ってるんですか。そんな事出来ません」

「どうして?」

「どうして?結婚の話までして、嘘でしたなんて…」

「嘘にしなきゃいいだろ?」

「ぇえ?」

「嘘にしなきゃいい。本当にすればいいんだよ」

「…坂本さん。何言ってるんだか、…さっぱり…」

「俺をつき合っている彼だと紹介すればいい。結婚する相手だと。
今はまだ直ぐって訳じゃ無いけど、結婚は考えている真面目なつき合いだと。
…一緒に暮らしている訳では無いが、お互いの部屋を行き来する、そんな仲だって」

坂本さん…。

「ご飯も作って一緒に食べたりもする。困った時には何でも話す、聞く。
…不思議な感覚の相手だ。
まだ何も知らない内から…昔から知ってるような、懐かしいような、一緒に居たら落ち着く感じがする。
紬…、俺達はそんな関係じゃないか?
俺は何って、さっき紬は聞いたよな?
それは、俺に取っては紬はもう、自然に俺の中に馴染んでいる。溶け込んでいる。そんな人だ。
だから、紬。
紬は紬で、自分に取って俺が何かって、紬の中に自分で問い掛けてみたら解る事じゃないのか?
そんな事、俺に聞かないでくれるか?
課長に呼び出されてどんな話をするのか…されるのか…」

俺には解っている。課長が駄目な話をする訳が無いじゃないか。
駄目なら、話をしたいなんて何度も言うはずが無いんだから。

「会って、ちゃんと話をして来るといいよ。
そうしたら、紬も自分の本当の気持ちが解るはずだよ?
折角作ってくれてるけど、もう帰るよ。
危ないから火は消しておくぞ?
フレンチトーストも、…また、いつか、だな。
ティラミスは早目に食べろよ?
じゃあな。おやすみ紬」

あ、…。

バクバクする…何?これ。
ドキドキ…。何?坂本さん…。
心臓が凄くトクトク早く動く、…これって何?何ですか?
< 86 / 166 >

この作品をシェア

pagetop