興味があるなら恋をしよう−Ⅰ−
お父さんの言葉はどっちに取ればいいのか…。
居ると信じてくれていたようにも取れるし、私の為に惚けてくれたのかも知れない…。
どこか本気で相手が居てくれたらと、望んでいる…お父さんの気持ちもあるようで。
申し訳ないな。
でもこればっかりはどうする事も出来ない。

お見合いを否定するつもりはない。結婚を考えたらそれも手段の一つ。…手段?…ただ……出会いの運命があるなら運命に任せたい。と思うし。そう思いたい。…その年齢がいつかによっては…厳しいかも知れないけど。
だから現実をみれば、お見合いをって、なってしまうんだ。


「次は一緒に帰って来いよ」

あ、お父さん…。

「…努力します」

努力でなんとかなるかな…ならないよね。相手があってでの話だ…。

「まあまあ、こんな事はね、ご縁よ、ご縁。
焦って決めるものでもないから、ね。
紬には紬の、掛け替えのない人が居るから」

お母さん…。

「自分に素直になってみなさい。
頑なな心では見えてるモノも見えない事もあるのよ。
大事に思ってくれてる人は居るモノよ。
後悔したと思ったら…戻れる時なら素直に戻りなさい」

…お母さん?……後悔なんて。私はまだ、そんな…。

「男女には色々あるのよ。大人になればなるほどね。
諦める事が必要な時と、諦めては駄目な事もあるのよ。
…難しいわね」

お母さん…。
もしかしてお母さんは…、何か後悔した事があるの?

「さあ、遅くならない内に。気をつけて帰るのよ」

「うん。…次、帰って来る時は二人で…帰って来るから」

「フフフ。そう言うなら、待ってるわ。
じゃあ、当分は帰って来れないって事になりそうね。フフフ」

「お母さん!」

……もう。確かにそうかも知れないけど…。


カチャカチャ。

カチャ。

「あ…」

また、一緒になった。

「おお…。帰ったんだ」

「はい…」

藍原…ちゃんと話して来たって事か…。
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