夢を忘れた眠り姫
そして現実世界で実際にそのような思考回路になる人が一定数いるからこそ、物語の題材として定着した訳で、とにかく心情的にはとてもありふれたお約束の流れであるという事だ。
……まぁ、私がとっさにそのような回答ができたのには他に理由があるのだけれど。
「そして大文字はその願望を、自分と付き合いのある各出版社の担当者にポロリと吐露した訳だ。『孫娘の婿候補として、どこかにいい青年はいないだろうか?ある程度水準は高くあって欲しいが、かといって贅沢三昧な暮らしをさせる必要はない。衣食住に困らない充分な稼ぎがあり、そして何より彼女を心から愛し、大切に慈しんでくれる青年の元に嫁がせたい』と」
「いかにもその娘さんのためを思っているかのように受け取れる発言ですよね」
背景にあるものを知らず、ただその言葉を聞いただけの人にとってはね。
「そうだな。そして更に、ずっと前から脳内で温めていて、最近下書きを始めた新作があることを暴露し、『出来上がったとしてもすぐに発表するつもりはなく、自分がいなくなってから世に出してもらいたいと思っている。私にとって生涯最後となるその原稿は、孫娘の婿を探し出してくれた出版社に託すことも視野に入れている』なんて、冗談めかしてはいるけれど本気度が窺えるニュアンスで告白したらしい」
「とっても打算的で嫌らしい釣り発言ですね」
……まぁ、私がとっさにそのような回答ができたのには他に理由があるのだけれど。
「そして大文字はその願望を、自分と付き合いのある各出版社の担当者にポロリと吐露した訳だ。『孫娘の婿候補として、どこかにいい青年はいないだろうか?ある程度水準は高くあって欲しいが、かといって贅沢三昧な暮らしをさせる必要はない。衣食住に困らない充分な稼ぎがあり、そして何より彼女を心から愛し、大切に慈しんでくれる青年の元に嫁がせたい』と」
「いかにもその娘さんのためを思っているかのように受け取れる発言ですよね」
背景にあるものを知らず、ただその言葉を聞いただけの人にとってはね。
「そうだな。そして更に、ずっと前から脳内で温めていて、最近下書きを始めた新作があることを暴露し、『出来上がったとしてもすぐに発表するつもりはなく、自分がいなくなってから世に出してもらいたいと思っている。私にとって生涯最後となるその原稿は、孫娘の婿を探し出してくれた出版社に託すことも視野に入れている』なんて、冗談めかしてはいるけれど本気度が窺えるニュアンスで告白したらしい」
「とっても打算的で嫌らしい釣り発言ですね」