夢を忘れた眠り姫
「ただ、どこからどうお話すれば良いのか、自分でも整理ができてなくて…」
「ゆっくりで良いよ」
しばし間を置いてから、ひとまず探偵の素性から明かす事にした。
無意識のうちにバッグに仕舞っていた名刺は今着ているパーカーのポケットに移しておいたので、それを取り出しテーブルの上に乗せ、かくかくしかじかと説明をする。
「やっぱり母親は、君の身辺調査を依頼したか…」
貴志さんは渋い表情で眼鏡を押し上げつつ呟いた。
「俺自身がヒントを与えてしまったもんな。ったく。悪い意味で予想を裏切らない女だよ」
そして改めて私に視線を向ける。
「それで、その調査の過程で探偵は、君の、あるプライベートな問題を嗅ぎ付け、思わせ振りで意味深な言い方…要するに恐喝をして来たと」
「はい」
「あー、もう……ホントごめん」
貴志さんはそこで心底疲れたようなため息を漏らした。
「あの女のせいで、余計なトラブルを抱える羽目になってしまって。つくづく、どんだけ疫病神なんだアイツは」
「あ、いえ。貴志さんに謝っていただく必要性は全くないですし…」
そして探偵は母親に無断でそのような行動を取っているのだから、厳密に言えば彼女のせいでもないのだけれど、かといってそれに対してのフォローも思い浮かばず。
結局私はそのまま言葉を濁してしまった。
「ゆっくりで良いよ」
しばし間を置いてから、ひとまず探偵の素性から明かす事にした。
無意識のうちにバッグに仕舞っていた名刺は今着ているパーカーのポケットに移しておいたので、それを取り出しテーブルの上に乗せ、かくかくしかじかと説明をする。
「やっぱり母親は、君の身辺調査を依頼したか…」
貴志さんは渋い表情で眼鏡を押し上げつつ呟いた。
「俺自身がヒントを与えてしまったもんな。ったく。悪い意味で予想を裏切らない女だよ」
そして改めて私に視線を向ける。
「それで、その調査の過程で探偵は、君の、あるプライベートな問題を嗅ぎ付け、思わせ振りで意味深な言い方…要するに恐喝をして来たと」
「はい」
「あー、もう……ホントごめん」
貴志さんはそこで心底疲れたようなため息を漏らした。
「あの女のせいで、余計なトラブルを抱える羽目になってしまって。つくづく、どんだけ疫病神なんだアイツは」
「あ、いえ。貴志さんに謝っていただく必要性は全くないですし…」
そして探偵は母親に無断でそのような行動を取っているのだから、厳密に言えば彼女のせいでもないのだけれど、かといってそれに対してのフォローも思い浮かばず。
結局私はそのまま言葉を濁してしまった。