夢を忘れた眠り姫
「その問題っていうのは、同居を始める前にチラッと言ってたやつのこと?」

「はい」

「だよな。普通のOLが、そんなに何個もトラブルを抱えてる訳ないし」

「その件で、べんさんには色々と相談に乗ってもらっていたんです」

「……彼とはどこで知り合ったんだ?」


そこでふと、貴志さんは疑問を投げ掛けて来た。


「敬語を使ってるって事は、君より年上なんだよな?学校の先輩とか?」

「あ、いえ。べんさんは私より一回り上ですから。それに地元は違うし通っていた学校も全然被りません」

「え。そんな年上だったんだ。声が若いから俺達と同世代かと思った」


ちょっと目を見張りながら貴志さんはそう感想を述べた。


「まぁ、どっちみち電話越しの音声じゃ正確な年齢は量れないだろうけど。でも、だったらなおさら、どこで知り合ったかという疑問が増すんだけど」

「えっと…。ある趣味の集まりで出会ったんですけど…」

「趣味?」

「は、恥ずかしいので、そこに関してはシークレットってことで」

「…ふ~ん」

「で、『ある問題』についても、今からお話はしますけども、ただ、肝心要な部分については申し訳ないけど伏せさせていただきます」

「……そっか」


貴志さんは小さく頷いてから続けた。


「じゃ、さっそく聞かせてもらおうかな」

「えっとですね…。ある男性が、私に対してすごい執着心を持っていまして…」
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