夢を忘れた眠り姫
「執着?ストーカーされてたってことか?」

「あ。と言っても、アクティブに私の後を付いて回ってた訳ではないんですけど。そんな元気はないし。ただ、精神的に支配して来るというか…。グイグイ自分の主張を押し付けて来て、そしてそれが正しい事だと信じて疑っていないから余計たちが悪くて」

「つまりうちの母親みたいなタイプって事か」


貴志さんは腕を組みつつ唸った。


「そりゃあ、かなりやっかいで面倒くさい人物だよな」

「それでもまぁ、最初のうちは何とかやり過ごしていたんですけど、どんどん支配欲がエスカレートして行って、そして私にとっては許せない一言を口にしたんです。それでもう金輪際関わりたくないと思ってしまって、第三者に間に入っていただく事にしました」

「その人物が内藤さん?」

「そうです。『今後、あなたと会うつもりはありません。決められた手段以外で私にコンタクトを取ろうとするのはやめて下さい』っていう主張を文書にして、それに同意する旨のサインをしていただく事になったんですけど、なかなか話が進まないらしくて」

「え。そんな重要な任務を、内藤さんは担ってるのか?」

「はい」

「よく引き受けてくれたな。それに、話が進まないのも当然というか、いきなりそんな他人の、しかも男性が仲裁に入って来たりしたら、ますます相手が意固地になってしまうんじゃないのか?」
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