夢を忘れた眠り姫
さりげなく後を付いて来た貴志さんが、袋をガサガサいわせながら中の箱を取り出しているリビングのベンさんを横目で見ながらコソっと囁いた。
「とても30代半ばには見えないかも」
「あ、やっぱりそう思いますか?」
何せ茶髪の無造作ヘアーに、左耳にはシルバーの十字のピアスがぶっ刺さっていますからね…。
人と会う約束をしていたからか、一応ジャケットスタイルではあるものの、むしろそれが何だかホストチックな印象を増大させている。
初めて顔を合わせた時からあんな感じで、今よりは当然若かったけれど、それでも衝撃を受けたもん。
アラサーの社会人がそういう出で立ちであるという事自体はもちろん、更に、彼が就いている職業からは考えられない奇抜さだったから。
とりあえず晩餐の準備が整い、全員腰を落ち着けた所で、今夜の最大の目的であるミーティングが開始された。
「それで、どこまで話したんだ?ゆめちゃん」
さっそく取り皿の上の細長いチキンを持ち上げながら、ベンさんは自分の右隣に座る私に質問して来た。
「あ、えっと…」
「ある趣味の集まりで出会ったそうですね」
私よりも早く貴志さんが答える。
「ん?うん、そうなんですよ。お互い、無料ホームページサイト『beebee club』のユーザーで」
チキンにかぶりついていたベンさんは、それを咀嚼しながらくぐもった声で返した。
「とても30代半ばには見えないかも」
「あ、やっぱりそう思いますか?」
何せ茶髪の無造作ヘアーに、左耳にはシルバーの十字のピアスがぶっ刺さっていますからね…。
人と会う約束をしていたからか、一応ジャケットスタイルではあるものの、むしろそれが何だかホストチックな印象を増大させている。
初めて顔を合わせた時からあんな感じで、今よりは当然若かったけれど、それでも衝撃を受けたもん。
アラサーの社会人がそういう出で立ちであるという事自体はもちろん、更に、彼が就いている職業からは考えられない奇抜さだったから。
とりあえず晩餐の準備が整い、全員腰を落ち着けた所で、今夜の最大の目的であるミーティングが開始された。
「それで、どこまで話したんだ?ゆめちゃん」
さっそく取り皿の上の細長いチキンを持ち上げながら、ベンさんは自分の右隣に座る私に質問して来た。
「あ、えっと…」
「ある趣味の集まりで出会ったそうですね」
私よりも早く貴志さんが答える。
「ん?うん、そうなんですよ。お互い、無料ホームページサイト『beebee club』のユーザーで」
チキンにかぶりついていたベンさんは、それを咀嚼しながらくぐもった声で返した。