夢を忘れた眠り姫
「その問題の決着についても俺に任せて下さい。なぜ貴志さんの立ち会いを拒むのかというと、探偵との話し合いの過程で、ゆめちゃんが俺に仲裁を依頼した件について、核心部分に触れてしまうかもしれないからです」

「あ、そっか…」


貴志さんはハタと気付いたように呟いた。


「それについては、俺は関与してはいけないんですもんね」

「ええ。貴志さん自身がどうこうという訳ではなく、第三者にうかつにトラブルの内容を公表しない、その渦中に巻き込まない、というのが俺のような立場の者が関わっている際のルールですので」


そこでベンさんは若干張りつめた空気を和ませるように口調を戻して続けた。


「色々とご心配でしょうけど、とにかく俺にすべて預けて下さいな。チャッチャッと片付けて来ちまいますから」

「……分かりました」


貴志さんが納得してくれた所で、さっそくベンさんの指示の元、メールを作成して探偵に送った。

数分後すぐに了承の返信が届く。


「打てば響くような反応ですね」

「だから言っただろ?」


どうやらデザートタイムに突入するようで、今度は甘いサイドメニューに手を伸ばしながらベンさんは言葉を繋いだ。

専用のシロップをかけて食べる、パンのような食感のそれはそのお店の主役に負けず劣らずの大人気看板スイーツだ。
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