夢を忘れた眠り姫
「だって、本当はあの人からのお金なんて一円も受け取りたくないんですもん」
「いやいや、そりゃダメだよ。自分の罪をしっかりと認識させる為にも、慰謝料と俺への費用はきっちり支払わせないと。そういう訳で、アイツの経済状態も考慮し、こういうケースでの必要最低限の金額を請求するつもりなんだ。だから今回に関しては金銭的な負担はないよ」
「そうですか…」
ベンさんの解説に、貴志さんは安堵したように言葉を繋いだ。
「それならひとまずは安心です。ただ…」
しかしすぐに表情を引き締める。
「以前からの、最大のトラブルはまだまだ継続中なんだよな」
「はい…」
「不思議ではあったんだ。永井さんは贅沢している様子は全然見受けられないし、一応俺達の会社はそこそこの給料がもらえて、そこで8ヶ月以上も勤務しているんだから貯えはそれなりにある筈だよなと。多少家賃が高めの所に移っても大丈夫なんじゃないのかなと。それまで全然プライベートでの交流が無かった俺にいきなり同居を持ちかけなくちゃいけないほど、なぜそんなに切羽詰まっているのかなって。でも、弁護士に仲裁を頼んでいることを知って合点がいった」
「ええ。といっても、ベンさんの所はかなり良心的な価格設定なんですけどね」
「それでも、本来なら払う必要のない想定外の出費なんだから、やっぱり大変だよな」
「いやいや、そりゃダメだよ。自分の罪をしっかりと認識させる為にも、慰謝料と俺への費用はきっちり支払わせないと。そういう訳で、アイツの経済状態も考慮し、こういうケースでの必要最低限の金額を請求するつもりなんだ。だから今回に関しては金銭的な負担はないよ」
「そうですか…」
ベンさんの解説に、貴志さんは安堵したように言葉を繋いだ。
「それならひとまずは安心です。ただ…」
しかしすぐに表情を引き締める。
「以前からの、最大のトラブルはまだまだ継続中なんだよな」
「はい…」
「不思議ではあったんだ。永井さんは贅沢している様子は全然見受けられないし、一応俺達の会社はそこそこの給料がもらえて、そこで8ヶ月以上も勤務しているんだから貯えはそれなりにある筈だよなと。多少家賃が高めの所に移っても大丈夫なんじゃないのかなと。それまで全然プライベートでの交流が無かった俺にいきなり同居を持ちかけなくちゃいけないほど、なぜそんなに切羽詰まっているのかなって。でも、弁護士に仲裁を頼んでいることを知って合点がいった」
「ええ。といっても、ベンさんの所はかなり良心的な価格設定なんですけどね」
「それでも、本来なら払う必要のない想定外の出費なんだから、やっぱり大変だよな」