夢を忘れた眠り姫
「そうなんだ、残念だな。…って、何だかコソコソと嗅ぎ回るような事をしてゴメン」

「あ、いえ」


だから微妙な表情を浮かべていたのか、と思いつつ返答する。


「広く一般に公開されているサイトなんですから、貴志さんがそこを訪問し、あれこれ見て回ったとして私にどうこう言う筋合いなんかありませんから」


だからといってわざわざ自サイトの情報を開示したりはしないけど。


「そう言ってもらえると気が楽だよ」

「ちなみに、『beebee club』のユーザーのことは『honey's』っていうんだぜ」


すると、完全にではないけれど私の秘密を暴露した諸悪の根元であるベンさんが、呑気に解説を始めた。


「そこに集った俺達を、『bee』、つまり『蜂』がせっせと集めて来た『はちみつ』に見立ててさ」

「へぇ~」

「そして、そもそも何で蜂なのかというと、ホームページってのは『文章を掲載する場所』だろ?つまり『文』と、蜂の羽音の『ブンブン』とを引っ掛けて、そう命名したらしいよ。ようするに駄洒落だよな」

「何だか遊び心満載ですね」

「だから数ある無料ホームページサイトの中からそこを選んだんだよ。そういう、親父ギャグ風味のしょうもない小ネタを絡める運営さんのセンスが気に入ってさ」
「それであの、どうでしたか?」


ベンさんの講釈を若干遮るようにして私は言葉を発してしまった。


「いくつか小説を閲覧してみた感想は」
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