夢を忘れた眠り姫
「タイトルにしてもストーリーにしても、誰かが何かで『当たり』を出すと、すぐさま後追い、便乗する者が出て来るんだよな。特別深く考察しなくても、その状況は丸わかりだよ」

「……要するに、他人のアイディアを堂々と盗んでいると」

「心情的には複雑かもしれないけど、ただ、同じテーマに手を着ける事自体は別に何ら罪ではないよ。たとえばプロの推理小説家なんかは皆挙って『閉ざされた空間内での事件』というシチュエーションに挑戦してる訳だし」

「それは俺も理解しています。既存のネタと全く被らない、新しい物語をその都度作り出すなんてのはほぼ不可能だろうし。でも、そういう、いわば様式美を踏襲する人達は先人の猿真似にならないように、細心の注意を払って作品を仕上げていますよね。むしろ誰かの物語と酷似してしまったら小説家として最大の恥だと考える。だけど、申し訳ないけれど、beebee clubのユーザー…いや、その中のごく一部だとは思いますが、その人達に関していえば、ただ単に人気の作風を丸々コピーしているようにしか見えない。他人のネタを平気で拝借しているようにしか思えないんです。素人だから、なんてのは何の言い訳にもなりません。本人達にはその自覚はないのかもしれませんが」


貴志さんの指摘に、更にメンタルが打ちのめされた。
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