夢を忘れた眠り姫
『あ、ベンさん、予定通り動いてくれたんだな』と考えている間にも話はどんどん進む。


「探偵いわく、どうやら今回の件で初めて依頼したのではなく、以前からその弁護士とは繋がっていたようだ、ってことだったわ。どういうことなの?まだ小娘のあなたが、何で弁護士なんか雇っているのよ」

「ええっと、それは…」

「つまりそういう力に頼らざるを得ないような、とんでもないトラブルを抱えているという事でしょう?ほんっと得体の知れない女だわ」


私の返事を待たずに母親は断定した。


「普通のOLならそんな事態にはならない筈だもの。よっぽど後ろ暗い、恥ずべき過去があるんでしょうよ。つくづく、真守と釣り合いが取れるとは思えないわ」

「真守さんは私があるトラブルを抱えている事はご存知ですよ」


私は淡々と事実を述べた。


「それでもお付き合いを続けて下さっている訳で…」
「どうせあなたがうまいこと言って同情するように仕向けたんでしょっ」


しかし母親はバッサリと切り捨てる。


「まったく、なんでよりにもよってこんな女に捕まってしまったのかしらっ。グズグズしている間に見合い話は白紙になってしまったし」

「え?」


突然の暴露に私は素で驚いた。


「そのお話自体が、なくなってしまったんですか…?」
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