夢を忘れた眠り姫
『フォロー』だなんておこがましいにも程がある。
私はそんな立ち位置にはいない。
「それよりも、私こそが、謝罪しなくてはいけない立場なんですから」
やっと巡って来たこのチャンス。
これを逃す訳にはいかない。
勇気を出して、言わなくてはいけない。
「先日はすみませんでした。とても無神経な事を言って、貴志さんを、傷付けてしまって…」
震える声で、それでも視線はしっかりと合わせつつ続ける。
「到底許してもらえるとは思いませんが、それでも、どうか謝罪だけはさせて下さい。本当に、本当にすみませんでした」
深々と頭を下げ、しばらくしてからそっと起こすと、貴志さんは無言でじっと私を見つめていた。
緊張のあまり、思わず固まった状態で彼を見返していると、ゆっくりとした動きで眼鏡を押し上げつつ声を発する。
「いや…。傷ついたというよりかは…」
とても気まずそうな、歯切れの悪い口調だった。
「つくづく、情けなくて恥ずかくて、いたたまれない気持ちでいっぱいだったんだ」
「え…」
意味を掴み損ねて、おそらく困惑した表情になっているであろう私に貴志さんは解説した。
「昔から心底軽蔑していた、虫酸が走るほど嫌悪していた、『こんな男にはなるものか』と反面教師にしていたつもりだったあの男の生き様を、結局はトレースしてしまっていたのかと」
「そ、そんな…」
私はそんな立ち位置にはいない。
「それよりも、私こそが、謝罪しなくてはいけない立場なんですから」
やっと巡って来たこのチャンス。
これを逃す訳にはいかない。
勇気を出して、言わなくてはいけない。
「先日はすみませんでした。とても無神経な事を言って、貴志さんを、傷付けてしまって…」
震える声で、それでも視線はしっかりと合わせつつ続ける。
「到底許してもらえるとは思いませんが、それでも、どうか謝罪だけはさせて下さい。本当に、本当にすみませんでした」
深々と頭を下げ、しばらくしてからそっと起こすと、貴志さんは無言でじっと私を見つめていた。
緊張のあまり、思わず固まった状態で彼を見返していると、ゆっくりとした動きで眼鏡を押し上げつつ声を発する。
「いや…。傷ついたというよりかは…」
とても気まずそうな、歯切れの悪い口調だった。
「つくづく、情けなくて恥ずかくて、いたたまれない気持ちでいっぱいだったんだ」
「え…」
意味を掴み損ねて、おそらく困惑した表情になっているであろう私に貴志さんは解説した。
「昔から心底軽蔑していた、虫酸が走るほど嫌悪していた、『こんな男にはなるものか』と反面教師にしていたつもりだったあの男の生き様を、結局はトレースしてしまっていたのかと」
「そ、そんな…」