夢を忘れた眠り姫
「うわ、出た」
「え?」
「あ、いや。ドラマや小説やマンガで、もう散々出尽くしたネタだなーと思いまして。正直お腹いっぱいですよ」
「ネ、ネタ…?」
困惑気味に貴志さんが呟いている間に私は話を進めた。
「で、それは誰に向けての演技なんですか?」
「……母親に対してなんだけど」
「えー。それはかなり無理がありますねー」
私は思わず顔をしかめる。
「おおかた『親が余計な詮索をしてくるから』『見合いをさせられそうになっているから』とか、そういう理由でニセの恋人を仕立てあげるつもりなんでしょうけど、これからも一生付き合いが続いて行く家族に対して、そんなことしても何の解決にもならないと思いません?だって、しばらくしたらその恋人とは『別れた』って事にしなくちゃいけないんですよ?まさか死ぬまでその設定を貫く訳にはいかないんですから。それに一時は喜ばせて安心させた親を、結局はまた心配させちゃうことになるじゃないですか」
私は矢継ぎ早にまくし立てた。
「しかもその時にまた別の縁談を持ってこられたらどうするんですか?『いよいよ後がない。今度こそ成功させなければ』って、本気度は格段に上がっちゃってますよ?その時にまた誰かに恋人のふりを頼むんですか?」
「い、いや、とにかく今回だけ乗り切れれば…」
「え?」
「あ、いや。ドラマや小説やマンガで、もう散々出尽くしたネタだなーと思いまして。正直お腹いっぱいですよ」
「ネ、ネタ…?」
困惑気味に貴志さんが呟いている間に私は話を進めた。
「で、それは誰に向けての演技なんですか?」
「……母親に対してなんだけど」
「えー。それはかなり無理がありますねー」
私は思わず顔をしかめる。
「おおかた『親が余計な詮索をしてくるから』『見合いをさせられそうになっているから』とか、そういう理由でニセの恋人を仕立てあげるつもりなんでしょうけど、これからも一生付き合いが続いて行く家族に対して、そんなことしても何の解決にもならないと思いません?だって、しばらくしたらその恋人とは『別れた』って事にしなくちゃいけないんですよ?まさか死ぬまでその設定を貫く訳にはいかないんですから。それに一時は喜ばせて安心させた親を、結局はまた心配させちゃうことになるじゃないですか」
私は矢継ぎ早にまくし立てた。
「しかもその時にまた別の縁談を持ってこられたらどうするんですか?『いよいよ後がない。今度こそ成功させなければ』って、本気度は格段に上がっちゃってますよ?その時にまた誰かに恋人のふりを頼むんですか?」
「い、いや、とにかく今回だけ乗り切れれば…」