夢を忘れた眠り姫
「あの、実は私も今、プライベートでちょっと問題を抱えておりまして…」

「え?そうなの?」

「あ。といっても、もちろん貴志さんには何も迷惑はかからないようにしますから。っていうか、専門家にお任せしている状態で、私自身が率先して動き回っている訳ではないんです」

「専門家…?」

「はい。ですけどやっぱりその件に関して、定期的に打ち合わせは必要ですし、自分自身も行動を起こさなくちゃいけない場面はあると思うんです。なのであの、私が一人で何やらコソコソやっていても気にしないでいただけますか?そして、決してその詳細を追求したりはしないで欲しいんです」

「…そうか」


しばし間を置いてから、コクリと頷き貴志さんは返答した。


「分かった。お互いのプライベートには干渉し合わないようにしよう。俺も恋人のふりをしてもらうのに必要なデータは別として、それ以上の情報は明かさないつもりだから」

「はい、そうしましょう」


私もコクコクと頷き同意した後、ふと、ある事が気になり尋ねてみた。


「ちなみに、私はもちろんいませんけど、貴志さんには本物の恋人さんなんかはいらっしゃらないんでしょうか?」

「もちろん。いたとしたらこんな依頼をしたりしないよ。ルームシェアも断固として断る」

「ですよねー」


言わずもがなであったか。
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