夢を忘れた眠り姫
そう断りつつ貴志さんは部屋の中に足を踏み入れ、当該ダンボールまで接近し、その前に腰を落とした。
「ん?何だかずいぶん厳重に梱包されてるな。よっぽど大切な物なの?」
『壊れ物』『取り扱い注意』というシールが貼られている事に気づいた貴志さんは、そう疑問を口にした。
「はい」
私は気負いなく、軽い口調で解説をする。
「仏壇とその中に納める用具一式が入っているんです。それと両親の遺影」
「……え?」
「私が大学一年生の時に、交通事故で亡くなったんですよ」
貴志さんは無言で固まってしまったけれど、私は勝手に先を続けた。
「赤信号で停車中、後ろから走って来た車に追突されて交差点に押し出されて、横から来たトラックになぎ倒されて。いや~、突然いなくなられたので、もう色々と大変でした」
話始めたら何だか止まらなくなった。
「ウチの両親に全く非はないけど、それでも事故を起こした相手と保険屋さんを通して交渉しなくちゃいけないですからね。しかも遺産相続の手続きも、待ったなしでこなす羽目になって。さらにさらに、その過程で実家を処分する事になったんですけど、それに関する処理やら家の中の片付けやら、もうてんやわんやのてんてこ舞いでしたよ。悲しんでる暇もなかったです」
「……大変だったんだな」
「ん?何だかずいぶん厳重に梱包されてるな。よっぽど大切な物なの?」
『壊れ物』『取り扱い注意』というシールが貼られている事に気づいた貴志さんは、そう疑問を口にした。
「はい」
私は気負いなく、軽い口調で解説をする。
「仏壇とその中に納める用具一式が入っているんです。それと両親の遺影」
「……え?」
「私が大学一年生の時に、交通事故で亡くなったんですよ」
貴志さんは無言で固まってしまったけれど、私は勝手に先を続けた。
「赤信号で停車中、後ろから走って来た車に追突されて交差点に押し出されて、横から来たトラックになぎ倒されて。いや~、突然いなくなられたので、もう色々と大変でした」
話始めたら何だか止まらなくなった。
「ウチの両親に全く非はないけど、それでも事故を起こした相手と保険屋さんを通して交渉しなくちゃいけないですからね。しかも遺産相続の手続きも、待ったなしでこなす羽目になって。さらにさらに、その過程で実家を処分する事になったんですけど、それに関する処理やら家の中の片付けやら、もうてんやわんやのてんてこ舞いでしたよ。悲しんでる暇もなかったです」
「……大変だったんだな」