夢を忘れた眠り姫
次にパジャマから余所行きの服に着替える事にした。
前もって決めていた、上は水色のとっくりのセーターに、下は青が基調のチェックの巻きスカート。
これまた仕事によく着ていくものだ。
まさかジーパンという訳にはいかないだろうし、かといってあまりにもかしこまり過ぎているのもなんだし、結局無難にまとめようとするとこういうオフィスカジュアルに落ち着いてしまうのだった。
おべべを着替え、コタツの電源を切り、コートと茶色のショルダーバッグを手に部屋を出た。
9時半を過ぎたし、リビングで待機していようと思ったのだ。
ソファーの背もたれにコートをかけ、その傍らに立ったまま必要な物をちゃんと入れたかどうかバッグの中身を確認していると、同じく身支度を終えたらしい貴志さんが現れる。
「あ…」
「え?」
「いや、何でもないです」
彼の姿を目で捉えた瞬間思わず声を発してしまったけれど、慌てて誤魔化した。
結局そうなるんだ……。
彼は普段通り、黒縁眼鏡をかけ、ぴっちり七三分けのヘアスタイルになっていた。
そしてお馴染みのグレーのスーツ。
見事なまでに、欧米人が思い描くであろう『真面目で勤勉な日本のサラリーマン』を体現しきっている。
なまじラフな格好を目撃してしまったがために、余計にそのベタさが強調されたような気がする。
前もって決めていた、上は水色のとっくりのセーターに、下は青が基調のチェックの巻きスカート。
これまた仕事によく着ていくものだ。
まさかジーパンという訳にはいかないだろうし、かといってあまりにもかしこまり過ぎているのもなんだし、結局無難にまとめようとするとこういうオフィスカジュアルに落ち着いてしまうのだった。
おべべを着替え、コタツの電源を切り、コートと茶色のショルダーバッグを手に部屋を出た。
9時半を過ぎたし、リビングで待機していようと思ったのだ。
ソファーの背もたれにコートをかけ、その傍らに立ったまま必要な物をちゃんと入れたかどうかバッグの中身を確認していると、同じく身支度を終えたらしい貴志さんが現れる。
「あ…」
「え?」
「いや、何でもないです」
彼の姿を目で捉えた瞬間思わず声を発してしまったけれど、慌てて誤魔化した。
結局そうなるんだ……。
彼は普段通り、黒縁眼鏡をかけ、ぴっちり七三分けのヘアスタイルになっていた。
そしてお馴染みのグレーのスーツ。
見事なまでに、欧米人が思い描くであろう『真面目で勤勉な日本のサラリーマン』を体現しきっている。
なまじラフな格好を目撃してしまったがために、余計にそのベタさが強調されたような気がする。