再現教室~死のリプレイ~
「続……まさか、わざと!?」


あたしはガタンッと椅子を鳴らして勢いよく立ち上がった。


真っ直ぐに続に向かって歩く。


「ねぇ、どうしてそんな事……!」


続の肩を掴んで振り向かせた瞬間、あたしは言葉を失った。


続の目に光る涙。


それがこぼれないように懸命に我慢しているが、それは頬を伝って流れて言った。


そして……あたしは続から手を離し、後ずさりをした。


続の頬に流れる黒い涙。


化粧が剥げた目元……。


「続は、入学式の時から奏ちゃんの事が好きだったよ」


無理のない、高い声。


「リン……ちゃん……?」


あたしは目の前の人物に唖然として目を見開いた。


男の化粧をして、男のように声を低くしていた彼女が、目の前にいた。


「ずっと一緒にいたけど、『久しぶり』って言った方がいいかな?」


リンちゃんは小首を傾げてそう聞いてきた。


「な……んで?」


後ずさりをして、椅子を蹴とばしてこけそうになる。


どうにか体制をたて直し、あたしはリンちゃんを見た。


「あの日、川で死んだのは続だったの」


リンちゃんはそう言い、スマホでさっきの動画を流した。
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