再現教室~死のリプレイ~
画面の中では信一と真が1人の人物を川から引きあげている。


「あたしがイジメにあっているのを見かねた続が、この日もあたしの代わりに2人に呼びだされた場所へ行ったの。


呼び出したのは男2人だし、あたしが乱暴されると心配したんだと思う。


でも、違った。あの2人は水アレルギーのあたしを川へ突き落すつもりでいたの。


そして、突き落とされたのは、同じアレルギーを持っている続だった……」


リンちゃんは囁くような声でそう言った。


画面の中で息絶えているのは、続……!?


「あたしは続の事が心配で途中から川へ向かったの。でも、遅かった……。あたしが行ったときにはもうこの状態だったの」


「まさか、その動画を撮ったのって……」


「あたしよ」


リンちゃんは頷いてそう言った。


「奏ちゃんの想像通り、あたしが出て行けば今度はあたしが犠牲になる。そう思って出て行くことはしなかったの。


千鶴のいいなりの2人だから、きっと攻撃してくる。そう思って」


そう言い、リンちゃんはスマホをポケットにしまった。


「この部屋を作ったのは……?」


「あたしの……新しいお父さん。千鶴の家の何倍もの収益を持つ、大企業の社長なの。まだ誰にも話してなかったけど」
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