再現教室~死のリプレイ~
疑問を感じた時あたしはハッとした。


そうか。


《リプレイ》までの相談時間はこういう事に使うのかもしれない!


たとえば、あたしが有紀と会話をしていたクラスメートになりきるとか、事前に打ち合わせをすればいいんだ!


そう理解したあたしは席を立とうとした。


けれど、そのタイミングでスピーカーからあの声が流れ始めたのだ。


《それではこれより、リプレイを開始していただきます。……リプレイ、スタート》


プツンッと音が途切れる。


それと同時に時計の針がグルグルと回りはじめ、4時10分を指した。


これはホームルームが終わった放課後の時間だ。


そこから針はまた動き始める。


「これ、もう開始してるんだよな?」


そう言ったのは続だった。


「たぶんな」


信一が首をかしげながら答える。


あたしは机の中を確認した。


しっかりと教科書が入っていて、机の横には鞄もかかっている。


あたしはとりあえず鞄に教科書を詰めはじめた。


授業が終わって帰るときには誰もが必ずこうするから、間違いじゃないはずだ。


すべての教科書やノートを鞄に入れたあたしは席を立った。


たしか、ここで有紀が話しかけて来たはずだ。


振り向くと、有紀がこちらへ向かってくるのが見えた。


「ねぇ奏、今日出た課題なんだけどさぁ」
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