再現教室~死のリプレイ~
「あの×印は、ミスをしたって意味なんじゃないかと思うんだ」


「ミスって、《リプレイ》をミスしたって事?」


「あぁ。でも、あのマークは一体どうやって浮かび上がってるんだ?」


「わからない……」


あたしは左右に首を振った。


殺害方法がわかれば、回避する方法もわかるかもしれない。


続はそう考えているのかもしれない。


「ねぇ続、いくらなんでも高校生が考えられるような事じゃないよ」


あたしは千鶴に聞こえないようにそう言った。


千鶴があたしたちを邪魔に思う理由もいまいちわからない。


ただ2年A組に詳しいお金持ちというだけじゃ、千鶴が犯人だとは思えない。


「わかってる」


続は顔色1つ変えずに頷いた。


ということは、やっぱり続は次の《リプレイ》で千鶴を犠牲にするために追い詰めていたんだ。


あまりいい気分はしなかったが、あたしはそれ以上聞く事をやめた。


『じゃぁ千鶴の代わりに犠牲になれるのか?』


そう聞かれるとあたしは首を縦にふることができないから。
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