再現教室~死のリプレイ~
続もその話題に触れたくないからか、すぐに話を戻した。


「ここへ連れてこられたときの事を、何か思い出せないか?」


「なにも……学校から帰ってた所までは覚えてるけど、その後目が覚めたらここにいた」


あたしはもう1度記憶をたどりながらそう言った。


「突然記憶がなくなるってことは、相手はなにか薬品を使用して俺たちを眠らせたり気絶させたりしてここまで運んだんだろうな」


「うん。たぶんそれが正しいと思う」


目が覚めた時に少しだけ頭が痛かったりメマイを感じたりしていたから、それは薬品の副作用なのだろう。


「人間を運んだってことは、車を所有している人物だ」


「うん」


あたしはまた頷いた。


「仮に5人同時に誘拐したとすれば、中が見えないようになっている大きな車が必要になる。そういう車にのっている先生はいなかったっけ?」


「先生!?」


あたしは思わず大きな声をあげてしまった。


まさか先生を疑っているとは思っていなかった。


「クラスの事を一番よく知っているのは担任の山田。だけど、山田の車は小さい軽自動車だったはずだ。でも、家に他の車を持っている可能性もある」
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