春うらら
確かに綺麗です。綺麗だけど、綺麗なんだけど……!
「な、なんなんですか、こ、この、美化120パーセントな……」
「別に俺、妄想して描いた訳じゃないし」
妄想して描かれても困るし!
「そう見える」
「そう見えるって……なんですか、速見さんは私の事を、美化して見えたんですか!」
「うん」
「まさか、好きだとでも言うんじゃないでしょうね?」
半笑いしながら、からかうように言うと……。
「うん」
うん?
思わずパッと顔を上げると、戸惑ったような、なんとも不思議そうな速見さんの表情が見えた。
え、えーと? どっちの“うん”?
“好きだと言わない”という意味の“うん”?
それとも“好きだと言っている”という意味の“うん”?
女は度胸だ、聞いてみようか。
「私が……好き?」
「うん」
満面の笑みが返ってきて、あんぐりと口を開けた。
「いつも威勢がいいなぁって思っていた」
あ、あの……威勢がって……。
それって明らかに“私を女子として好き”の“好き”じゃないですよね?
思わず憮然として笑顔の速見さんを眺めたら、しばらく沈黙の後、橋元さんの大爆笑が聞こえてきた。
2016年3月29日
「な、なんなんですか、こ、この、美化120パーセントな……」
「別に俺、妄想して描いた訳じゃないし」
妄想して描かれても困るし!
「そう見える」
「そう見えるって……なんですか、速見さんは私の事を、美化して見えたんですか!」
「うん」
「まさか、好きだとでも言うんじゃないでしょうね?」
半笑いしながら、からかうように言うと……。
「うん」
うん?
思わずパッと顔を上げると、戸惑ったような、なんとも不思議そうな速見さんの表情が見えた。
え、えーと? どっちの“うん”?
“好きだと言わない”という意味の“うん”?
それとも“好きだと言っている”という意味の“うん”?
女は度胸だ、聞いてみようか。
「私が……好き?」
「うん」
満面の笑みが返ってきて、あんぐりと口を開けた。
「いつも威勢がいいなぁって思っていた」
あ、あの……威勢がって……。
それって明らかに“私を女子として好き”の“好き”じゃないですよね?
思わず憮然として笑顔の速見さんを眺めたら、しばらく沈黙の後、橋元さんの大爆笑が聞こえてきた。
2016年3月29日


