ヘタレな野獣
とぼけんじゃないわよ!?
私は心の中で毒づきながら、ゆっくりと顔を上げ、彼と視線を合わせた。
「あんな事とは、どんな事ですか?」
「っ!!!言ったじゃない、さっ、三年間、私を想ってきたって!」
「えぇ、言いました、それが、何か?」
「・・・・・」
「冬子さん、あなた、まさか僕があの時言ったあの言葉を・・・疑ってるんですか?」
そうだよ、無茶苦茶疑ってるよ、そう言いたかったのに・・・
今にも泣き出しそうな、彼の表情を見て、私はそれを口にする事は無かった。
「とにかく、上がって下さい」
強引に私を玄関からリビングに誘う。
灯りも点けず、カーテン越しに注がれる月明かりが頼りだった。
静かに私をソファに座らせ、彼は正面に跪く。
そっと頬に触れた彼の指は、微かに震えていた。
「・・・あの日、冬子さんは、泣いてはいなかった。
随分と泣きはらした目をしていたけど、あなたはあの日、最後まで涙を見せなかったんだ・・・」
えっ?
何の事・・・?
「僕に紹介すると言っていたのに、結局あいつからは紹介しては貰えなかった・・・」
独り言のように、淡々と言葉を発するヨレヨレ君に、私はどうしていいのか判らず、ただただ、視線を泳がせていた。
私は心の中で毒づきながら、ゆっくりと顔を上げ、彼と視線を合わせた。
「あんな事とは、どんな事ですか?」
「っ!!!言ったじゃない、さっ、三年間、私を想ってきたって!」
「えぇ、言いました、それが、何か?」
「・・・・・」
「冬子さん、あなた、まさか僕があの時言ったあの言葉を・・・疑ってるんですか?」
そうだよ、無茶苦茶疑ってるよ、そう言いたかったのに・・・
今にも泣き出しそうな、彼の表情を見て、私はそれを口にする事は無かった。
「とにかく、上がって下さい」
強引に私を玄関からリビングに誘う。
灯りも点けず、カーテン越しに注がれる月明かりが頼りだった。
静かに私をソファに座らせ、彼は正面に跪く。
そっと頬に触れた彼の指は、微かに震えていた。
「・・・あの日、冬子さんは、泣いてはいなかった。
随分と泣きはらした目をしていたけど、あなたはあの日、最後まで涙を見せなかったんだ・・・」
えっ?
何の事・・・?
「僕に紹介すると言っていたのに、結局あいつからは紹介しては貰えなかった・・・」
独り言のように、淡々と言葉を発するヨレヨレ君に、私はどうしていいのか判らず、ただただ、視線を泳がせていた。