ヘタレな野獣
警備員に渡された社封筒の中に入っていたもの・・・

「何なんすかね、これ・・・」
「要するに、週明けの最終プレゼンに我が社が残ったって事ですよ・・・」
「食事してないのに?・・・」
「「「・・・・・」」」

私達三人はその手紙を見て、思わず顔を見合わせた。

「部長効果・・・って事っすか・・・」

武田君が言う。

「・・・そのようですね」

ヨレヨレ君も武田君の意見に賛同している。


でも私は・・・


「・・・折角だからこのまま食事に行きませんか?」

おっ、いいっすねぇ、とヨレヨレ君の提案に武田君が乗った。



場所はヨレヨレ君の行きつけのあのお店。

「折角席を用意して貰ってるんです、武田君、運転代わりますよ、その方がいちいち説明しなくて済みます」

武田君と運転席を代わったヨレヨレ君の運転で車は走り出した。






「いやぁあ、旨かったっす!
今日はありがとうございました」
「そうかい?嬉しいねぇ、そう言って貰えると。これを期にちょくちょく顔出しな、サービスするよ」

食事を終えて武田君はここの大将にお礼を言った。

大将も満更では無い様子で・・・


私も大将にお礼を言ってお店を後にした。


「課長、良い店知ってますね、俺、超気に入ったっす!」

お酒も入っていないのに、何だかテンションが高い武田君。

「はははっ、それは良かった。
実は僕、学生時代あそこでバイトしていたんですよ」

そうなんすかっ…少し声のトーンが上がる武田君。

驚いてるんだ・・・
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