あなたの「おやすみ」で眠りにつきたい。
吉岡美麗。
その名前を聞いて、今度は俺が眉を潜めた。
もう二度と会いたいとは思わない相手だったのに……!
「最悪だ」
「まさか本社に戻ってこれるとはな。さすが、社長令嬢だよ」
吉岡は俺が勤める会社社長の一人娘だ。
年齢は俺より一つ上。
社長は彼女に会社を継いでもらいたいらしく、今はうちの会社で勉強のために働かされている。
彼女はかなり優秀だ。
ただの縁故採用のお嬢様じゃない。
仕事はできるし、エネルギッシュ。
しかし、度々ある問題を起こしていた。
男性問題だった。
先ほど述べた通り、エネルギッシュなのだ、彼女は。
狙った男性に猪突猛進。
神出鬼没に現れて、狙った獲物を追いかけ回す。
そして、疲れた男性が渋々付き合うことにすると、まさかのポイ捨て。