あなたの「おやすみ」で眠りにつきたい。


主任は黙ったままだった。
けれどきっと、鋭い彼は状況を見抜いているだろう。

目の前の男が、私の元婚約者だということを。

「中田。俺、帰ったほうがいいか?」

静かに問いかける主任の声に、私は困惑した。

きっと、勇輝は私に話があって、ずっとここで待っていた。
私はそんな彼をないがしろにできない。

けどね。主任に帰られると、私は寂しい。

いつの間に、こんなにも、主任は私の心に入り込んでいたのだろう。

身体だけの関係なのに。
好きになっても、辛いだけなのに。

欲しくなる。
あなたの心も身体も。

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