あなたの「おやすみ」で眠りにつきたい。


「勇輝……何?なんで?」

どうして今更ここに?
やり直そうとか、言われるの?

「そちらの方は、新しい恋人?」

勇輝の目は私の隣の主任に向けられていて、私は慌てて、首を振った。

「違うよ。会社の上司。仕事が終わるのが遅かったから、送ってもらっただけだよ」

主任のことを、恋人と呼ぶなんて、そんなのできない。
私たちは何度も身体を重ねてきたけれど、一度も愛の言葉を言ったことはないのだから。

きっと、主任にとって私は性欲処理に丁度良かった相手なのだ。
それなのに、私が恋人なんて言ったら、きっと、彼は迷惑に思うだろう。

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