あなたの「おやすみ」で眠りにつきたい。
眠り姫も白雪姫も。
目が覚めると、そこには素敵な王子さまがいて。
お姫様は恋に落ちるの。
……そんな話に憧れるのは、無垢な子供の頃だけで。
大人になれば、現実はそんなことがあるわけないと知る。
「……気付きましたか?中田さん」
ほら。やっぱり。
目を覚まして、そばにいたのは、私の大好きな人ではない。
医務室の優しいおばさま先生だ。
多忙な主任が私のそばにいてくれるはずない。
「……私……」
「会社で倒れて、医務室に運ばれてきたのよ。覚えてる?」
「……なんとなく」
主任の言葉を聞いたあと、突然貧血に襲われて、立っていられなかった。