あなたの「おやすみ」で眠りにつきたい。
そのときだ。
ピンポンって、インターホンが鳴った。
このマンションではエントランスにインターホンがある。
……今は誰にも会いたくないから、無視していたが、インターホンは、しつこかった。
「……はい」
結局、うるさいインターホンの音は頭痛の種になりそうだったから、出た。
『俺だ』
インターホンの向こう側から聞こえたのは、今は一番会いたくないひと。
「開けてくれないか」
いや、開けたくないです。
……けど、突っ返すのは失礼か。
「……コーヒー淹れられるほど、体調が万全ではないですよ」
「そんなこと分かってるから、早く開けなさい。矢田部長に様子を見てくるように言われたんだよ」
「……わかりましたよ」
インターホンを切ってから、嘆息のように吐息した。
……上司命令なんだ。
心配で来てくれたわけじゃないんだ。
セフレだと覚悟を決めたつもりでいたのに、どんどん貪欲になる自分がいや。