運命の恋は健康診断から始まる

「検査薬で陽性が出たから、妊娠してるのは間違いないと思う」


信じられなくて何も言えないでいる俺の手を歩の手が包みこむ。


たまらなくなって歩を抱きしめると、歩も俺のことを抱きしめてくれる。


泣きそうになる俺を宥めるように背中をさすってくれる歩が本当に愛しくてたまらなくて、自然と抱きしめる腕に力がこもる。


「宗ちゃん、大好きだよ。宗ちゃんの赤ちゃん、産めるように気をつけるね」


こんな日が来るとは思ってなかった。俺、子供が出来ない身体ではなかったんだ。


「歩、ありがとう。今まで以上に大事にするよ」


俺を好きになってくれて、傍にいたいと言ってくれて、結婚してくれて、俺の子供を宿してくれて、色んな意味のありがとう。


「私も宗ちゃんのことすごい大事にするよ。ますます長生きしてもらわなきゃだし」


そう言われて苦笑いするしかない俺のことを歩はぎゅっと抱きしめる。


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