意地悪王子は俺様溺愛王子⁉︎
『龍衣も澪雄と同じチームでしょ?』
思い出したかのように言った夏帆に、桜が人差し指を立てて慌てる。
……へーっ、龍衣君もこのチームなのかっ‼︎
これは、勝ってもらわないと困るなー。
『あ、波人は敵じゃない?』
ニヤニヤしながら雅が言うと、カァッと赤くなった夏帆は、手で顔を隠す。
『キャーーーーッ!』
『和希君ッ! 頑張れーっ!!!!』
その瞬間、女子の黄色い悲鳴が響いた。
『残念な事に。
波人は和希同じチームらしいね』
雅が耳を押さえながら下を見る。
そこには確かにコートに入る学園王子がいた。
『……たく、あいつは芸能人かなんかかっつーの』
冷めた目をしながら言う雅に、桜と夏帆が掴みかかる。
『和希はカッコいいよ!?』
『そうだよ! 目の保養にもなるしっ!』
……そーいや、雫も目の保養って言ってたっけ?
『……そ、そうか⁇』
首を傾げた雅に、そう! と大きくうなずく2人を見て、私と雫は笑った。