熱恋~やさしい海は熱砂の彼方~
島袋くんに言われても動じることなく、ツカツカと教室に入ってくる。

「お前は階段の掃除だろーが。こんなところでサボッてていいのかよっ」

「階段の掃除はもう終わった。それに余計なクチ出ししてるのはお前のほうだ」

「なにをっ」

「俺はお前と話をするつもりはない。そのコにひとこと言いたいだけだ」


えっ、そのコって、あたしのこと…?


「おい、お前」

しゃがんでるあたしの頭の上から声がする。

「なんで濡れ衣を着せられて黙ってる? なんで、自分が犯人じゃない、って言わない?」

「………」

だけど、あたしは黙ったままガラスのかけらを拾い続けた。

犯人にされて悔しくないはずがない。

それでも、なんで言い返さないのかなんて、うまく説明できないし、説明することじたいが面倒くさくてどうでもいい感じだった。

「おい、聞いてんのかよっ?」

あたしの手をつかんで無理矢理立たせる比嘉航平くん。
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