熱恋~やさしい海は熱砂の彼方~
5メートル……

ドクン、ドクン、ドクン。

高鳴る胸の鼓動。このまま胸の奥で、心臓が爆発しちゃいそうな勢いだった。

4、3、3、1……

ゼロ!!!



今だ~っ!



「…っ!」



…だ、やっぱダメだっ……。



いざ本人が目の前にやってくると足がすくんで動けない。

2、3、4、5メートルと、どんどん彼が離れて行ってしまう。

このままじゃ、彼が学校に行ってしまう。

学校でこないだの…サイン会のときの写真を渡されたりしたら、今まで隠していたあのことが、みんなにバレちゃうかもしれない。

ダメ、それだけは絶対にダメだ。


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