熱恋~やさしい海は熱砂の彼方~
また“えくぼ”って…。ひょっとして比嘉くん、えくぼのできるコが好きとか? だったらあたし、比嘉くんの前でいつもニコニコしてることにするよ。そしたら、いつでもえくぼを見せてあげられるし~っ♪
「やっぱ偽造表示とかウソはよくねぇよ。新聞記者たるもの、常に真実を追求しねぇと」
そう行って歩き出す彼。
「真実か……」
でも、あたしはその場に立ち止まっていた。
「おい、そろそろ急がねぇと遅刻するぞ」
「あ、はいっ…」
慌てて彼を追って駆け出し、そして並んで歩きはじめるあたしがいた。
でも、コレってある意味キセキだ。
クラスメイトと並んで歩くなんてこと、他の人からしてみれば全然フツーなことなのかもしれないけど、そんなフツーのことが昨日までのあたしにはできなかったからだ。
昨日まで不可能だったことが、いともたやすくできてしまうキセキ。それこそ、純愛の神さま・魚住とと先生のミラクルパワーだ。
今なら、どんなことでもできる気がする。
あたしは勇気を振り絞って、でも平静を装いながら、彼に話しかけてみることにした。