アイ・ミス・ユー


足早に向かったのは、広大な敷地面積を存分に生かして造られた本店店舗。


彼はこの広い店舗のどこかにいるはずだ。


店舗内は関連商品ごとにエリアで分けられていて、ちょっとやそっと歩き回っただけでは回り切れない。


なのでサービスカウンターの中に入り込み、インカムで主任がどこにいるか確認してもらうことにした。


金子はあっさり見つかった。
ひとりの女性社員が耳につけたインカムを手で軽く押さえながら、私の方を見る。


「綾川さん、金子主任見つかりました。ベッドコーナーにいるみたいですよ。なんか問題が発生したらしくて……」

「分かった。ありがとう。行ってみます」


彼女の話を最後まで聞くことなく、私はお礼を告げて今度は少し駆け足でベッドコーナーへ向かった。


まさかベッドに寝転がってたりしないわよね?
……なんて失礼なことを考えたりして。


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