イジワル御曹司と花嫁契約
慌てて塩つくね棒を完成させて、作ったおつまみと共にバーカウンターに移る。


スツールに腰かけて、カウンター内に入って準備をしている彰貴を見ると、胸の奥がむず痒くなってくる。


慣れた手付きでリキュールを注ぐ姿も素敵だし、それが私のためにやってくれているというのも嬉しいし、二人きりで彰貴の家にいるというシチュエーションも非日常的だし、外の夜景はロマンチックだし……。


全てが特別で、甘ったるくて、ニヤニヤしてしまう。


 カクテルグラスに赤みをおびたオレンジ色の液体が注がれる。


甘い桃の匂いがした。


「シンフォニー。甘いがアルコール度数は少し高い。気をつけろ」


 不敵な笑みで私の見つめる彰貴は、痺れるくらい魅力的だ。


色気を含んだ瞳、整った顔立ち、高い身長、そして均整のとれた細身な身体には程よく筋肉がついている。


別に面食いなわけじゃないけど、こんなにかっこいい人に見つめられたら誰だってドキドキすると思う。
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