イジワル御曹司と花嫁契約
でも、現実は想像以上に厳しくて。


別れなければ店を潰すどころか、商店街までなくしてしまえるくらい力があるなんて。


どうやって立ち向かえばいいっていうの。


「別れたくないよ……」


 ポロポロと涙が零れ落ちてきた。


止まらない涙、止まらない思い。


「もっと一緒にいたかった」


 声に出すと、ますます気持ちは膨れ上がっていった。


心からの本音。


大好き、大好き、大好き。


「嫌だよ、一緒にいたいよ」


 好きが溢れて止まらない。


誰よりも好き。


いなくなることなんて想像できない。


 ましてや、自分から別れることなんてできるわけがない。


私が一番、別れたくないんだから。


彰貴の笑顔も、彰貴の温もりも、全部この体が覚えている。


初めての恋。


初めての恋人。


全身全霊で愛してた。


ごめんね、彰貴。


私には、戦う武器がない。

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