イジワル御曹司と花嫁契約
 上から落ちてくるような、どっとする疲労感と、押し寄せる絶望感。


 視界が歪んで、まるで世界に一人ぼっち取り残されたような気分だった。


 いつかはこんな日が来ることは分かっていた。


絶対に結ばれない運命だって、いつかは必ず別れなきゃいけない日が来るって。


だから、好きになるのはやめようって思っていた。


 身分や家柄なんて関係なく、自由恋愛で結婚できるこの時代であっても、圧倒的な身分の差が私たちにはあった。


それは、出会った時から分かっていたこと。


でも、どこかで何とかなるんじゃないかって思う気持ちがあった。


 婚約宣言してからも、引き裂かれるような出来事は一度もなかった。


だから、大丈夫なのかもしれないって油断していた。


付き合うくらいなら、大丈夫。


きっとこの先も何とかなる。


誰かに反対されたとしても、戦う覚悟だった。


それくらい、好きだった。


失いたくなかった。
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