イジワル御曹司と花嫁契約
 親切心のボランティアみたいな心境なのかもしれないけど、こっちは望んでもいないし失礼すぎる。


確かにあなたに比べたら私は貧乏人かもしれない。


でも、そんなことをしてもらう義理はない!


「ほら、これなんかどうだ?」


 差し出されたドレス。カッと頭に血が上って、そのドレスを彼の顔に投げつけてやった。


「いらないって言ってるでしょ!」


 大声で怒鳴られ、ぶつけられたドレスに、彼は言葉を失くしたように驚いていた。


「私はね、これがいいの。

あんたにとっては安物のワンピースかもしれないけど、私にとっては世界で一番大事なワンピースなの!」


「……お前、俺が誰か分かってるのか?」


 出た!権力者アピール。


こういう発言する奴、一番嫌い!


「知らないわよ!興味ない」


 すると、彼はふっと口元に笑みを浮かべた。


「興味ない……か」


「ついでに言っておくとね、人を貧乏人だとか、金持ちアピールだとか、そういう失礼で中身のない男が私は一番嫌い。

あんたがどんなに偉くても金持ちでも、私は絶対屈しないから!」


 威勢よく啖呵を切って、くるりと向きを変えドアに向かって駆け出した。


「あ……おいっ!」
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