イジワル御曹司と花嫁契約
「実は、彰貴様があんな表情をするのは、これで二度目なのでございます」


「え……?」


 八重木さんは、まるで大きな罪を打ち明けるように話し出した。


「彰貴様が、小学二年になられた頃、実のお母さまに捨てられた時も、こんなかんじで荒れておりました」


「捨てられた……?」


 衝撃的な言葉に、ゾクっと芯から体が冷えた。


「真実は違います。ですが、何も知らない幼い頃の彰貴様は、捨てられたと思っていたのでございます」


「何があったんですか?」


 震える声で聞く。


彰貴の過去に、そんな重い出来事があったなんて……。


「彰貴様のご両親は、政略結婚でした。

しかし、彰貴様のお母さまは、彰貴様を可愛がり、熱心に育てていらっしゃいました。

ですが、彰貴様のお父さまは、それが気に食わなかったようです」


「は?」


 不快感を顔いっぱいに露わにした。


愛情をかけることが気に食わない?
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