イジワル御曹司と花嫁契約
 そう言って、お母さんは熱心に私のドレスを選んでいる。


私は別に何でも良くて、自分のよりもむしろ母のドレスを選びたいくらいだ。


こんなに綺麗で華やかなドレスに囲まれて、気持ちが上がらないわけではないけれど、後で見返した時に恥ずかしくなるのは嫌だと思って、地味なものを選ぶも、全て母に却下される。


「もう、分かったよ。それならお母さんが全部選んで」


 すると、母は不敵な笑みを浮かべた。


「胡桃に一番似合うものを選んで、魔法をかけてあげる」


 そして再び熱心にドレスを選び始めた。


こんなにイキイキしている母を見るのはいつぶりだろう。


今日は母の誕生日。


いつもは文句ばっかり言って、母の意見は聞かないことも多いけど、今日くらいは母の着せ替え人形になってあげよう。


「決めた、これにする。絶対似合う」


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