イジワル御曹司と花嫁契約
 背中を押されてズリズリと前に進む。


「待って。行けないよ。それに今日お母さんの誕生日だし」


「そう、約束したでしょ。

今日はお母さんの言うこと、何でも聞くって。

だからつべこべ言わずに行きなさい」


「ええ!?」


 無理やり車に乗せられ、後部座席のドアを閉められる。


 何これ、何が起こってるの!?


 八重木さんは運転席に戻り、素早く車を発車させた。


お母さんが笑顔で手を振る姿が、どんどん小さくなっていく。


 なんで、なんなのよ。どうなってるの!?


「八重木さん! これは一体どういうことなんですか!? どこに行くんですか!?」


 驚き、慌てふためいている私をバックミラー越しに見ながら微笑んでいる八重木さん。


「大丈夫です。着けば分かりますよ」


「着いてからじゃ遅いです!」
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